私たちは音に囲まれた生活を送っています。サイレンが聞こえることで危険を察知したり、
電化製品のブザーを聞くことでその合図を察知することができます。
また何よりも、聞こえることで円滑なコミュニケーションを行うことができ、
積極的な社会参加も可能になります。
ところが、聴力が低下してこれらのことが困難になると、
自信を失い、コミュニケーションや社会参加に対する意欲も薄れがちになります。
そのようなときに補聴器を装用していくことで、
単に小さな音や声が聞こえるということだけでなく、
自信を取り戻し、コミュニケーションや社会参加に対する意欲を持てるようになります。
補聴器をつけたからといって、
お耳が元気な頃のようにはっきり聞こえるというわけではありません。
それは、難聴になった原因にもよりますし、難聴の程度にもよります。
一般的に感音性難聴(老人性難聴、突発性難聴、薬物などによる難聴)といわれる難聴は
音を聞き分ける能力が低下していることが多いので、
全ての音がはっきり聞こえるようになるわけではありません。
しかし、不自由な状態と比べると「かなり聞こえる」という状態にしていくことが可能です。
まず聞こえについてお困りのことを専門の相談員にお話ください。
1.聞こえなくて最も困られているのはどんな場面なのか。
2.タイプ(形・性能)でご希望があればお伝え下さい。
3.ご予算はどれぐらいをお考えになっているか。
これらをより詳細にお話いただければ、補聴器を選びやすくなります。
残念ながら、補聴器を購入されても、使わずに「タンスの肥やし」にしてしまっている方も見受けられます。
補聴器は適切な補聴器を適切な調整でお使いになることも大切ですが、
装用者ご本人様の「使いこなそうという意欲」を強く持つことも大変重要です。
補聴器を使い始めの頃は、補聴器の音に慣れていかなければならなかったり、
いくつか取り扱い方法を覚えていただかないといけなかったりと、少し面倒ではあります。
しかし、それは毎日お使いになっていくにつれてすぐに慣れていきますので、
慣れるまでの間は、1日1回、補聴器の練習をされることをおすすめします。
難聴になった原因によっては、
補聴器をつけても全ての音がはっきり聞こえるというわけではありません。
そこで、周りの方が補聴器をつけている人に話しかける際には、
「普通の声」で「ゆっくり・はっきり」と話しかけてください。
大きな声だと補聴器の音が割れてしまったり、かえって聞きづらくなってしまいます。