補聴器は、使用する方の聞こえによってその効果には個人差があります。
補聴器は最先端のテクノロジーを使った医療機器ですので、補聴器を使用すれば、周囲の健聴者と同じように会話ができて当然と思う方も少なくありません。しかし、補聴器を使用しても難聴が回復したわけではないため、補聴器を使用している方と接する時には、いくつかの配慮が必要となります。
話しかける時は、いきなり内容を話すのではなくまず最初に名前を呼んだり、
「ねえねえ」「あのね」など注意を引いてから、
相手が聴く体勢になったことを確認してください。
突然話しかけられると、聞き返しをされることが多くなります。
補聴器を使用している方には、
できるだけゆっくりとした口調で話しかけてください。
特に高齢の方では、若い方と同じように物事をすばやく処理したり、
頭の中の記憶をすばやく整理することが困難になるため、
補聴器を使用しても早口だと聞き取れないことがあります。
難聴の程度にもよりますが、補聴器を使用しても聞き取ることのできない発音があります。何度言っても聞き取れない場合は、ただ単に同じことを繰り返さずに、言い回しを変えてみたり、内容が想像できるようなヒントを加えてみてください。「ポスト」というよりも「郵便局のポスト」と言うほうが聞き取りやすくなります。
現在、聴力の低下と認知症の因果関係を指摘する研究結果も
見受けられるようになって来ました。
”外からの情報が入ってこない”
”会話がない”
という状況が長く続くと精神活動が抑えられてしまうため、
認知症になる可能性が出てくるのです。
また、特に男性で聴力が低下した人は、していない人に比べ、
約3倍も「うつ」になりやすいという研究データもあります。
聴力の低下をほうっておかず、さまざまな場面で会話に参加していくことが、
認知症やうつを防ぐことにつながると考えられます。
参考:聞こえを応援! はじめての補聴器ガイド「みみから。」